釜山空港に到着後、出口付近で順番待ちをしているとアナウンスが聞こえてきた、自分が呼ばれているらしいと気付いた。
3番出口カウンターの方へ着てほしいと言っているので、仙太郎はそこへ向かった。
カウンターに着くと、キム・ヨンジャ達3人が検査官に質問を受けていた。
日本と違い韓国では、国内線でも外国人の場合はパスポートの提示を求められる事が多い。
キム・ヨンジャ達は、日本人として韓国に入つているので怪しまれたのだと思われる。
「三国さん、助けてください」
「私たちは日本の企業のもので、釜山に仕事をしに来たと言っても信用してくれません」「貴方から、この者たちは日本で一緒に仕事をしている業者仲間ですよ、と言ってください」「検査官、私は日本の企業のものですが、この人たちは日本の業界で仕事をしている人達ですよ」
「貴方を確かめます、パスポートを見せてください」
検査官は仙太郎のパスポートを取り上げると、どこかへ電話をして確かめていた。
その間、仙太郎はドキドキもので、ここでばれたら全てパーになり、日本へも帰れないかもしれない、その不安な顔を検査官に見られたらまずいので、こらえて笑顔で対応していた。
「一応OKが出ました、帰りにもう一度確認するかもしれませんので宜しく」と言って検査官は皆んなを通してくれた。
こうして難関をクリアした、仙太郎達とキム・ヨンジャ達は別々に散っていった。
キム・ヨンジャ一行は仲間の車で、仙太郎達はタクシーで昌原へ向けて。
タクシーの中で韓国代理店の担当者が言った「三国さんは犬を食べた事ありますか?」
「えー聞いたことはありますが、食べれるんですか?」
「わかりました、昼食は昌原の犬料理を食べて、重工業へ向かいましょう」
昌原の料理店らしき場所に着くと、日本の古い格式の料理屋の様な佇まいの店に入った。
靴を脱いで玄関を上がると、陳列棚があり飾ってあるのは男女の怪しき物ばかり、壁には男性のヌード写真が、「なんだ、この店は?」何が出てくるのか仙太郎達には想像できなかった。
出てきたのは、茹で上がったばかりの鶏肉の様なものが、大皿に山盛りに積まれていた。
それとチャーハンらしきご飯ものが出てきた。
次号予告 犬料理とはどういうものか?
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